ど~も! 関西オフィス 企画編集兼ライターのF本です。
ちまたで何かと話題の「ChatGPT」。
先日は、横須賀市が日本の自治体で初めて全庁的な活用実証を開始したというのがニュースになりました。(その報道機関宛のニュースリリース原稿もChatGPTで下案を作成したということで、ちょっと話題になっていました。プロモーションって、そういうちょっとしたところで差が出るんですよね。)
私もChatGPTと、Microsoft Edgeに実装されたBing AIを試しに使ってみています。Bing AIは、ChatGPTと同じようなものですが、ChatGPTと違うのは、ウェブ検索を同時に行い、そのソースとなったウェブページも示してくれるところ。
まあ、僕の場合はまだ自分の文章のほうが良いと思っているので(自画自賛!)AIに文章をつくってもらうなんてことはしませんが、アイデアに困ったときなどに、相談相手として使う感じです。Bing AIは専ら検索用ですね。
ただ、これらのAIの文章制作力にはびっくりです。スムーズに読める文章で、日本語的な間違いはもちろんありません。論理もある程度一貫しています。事務的な文章の制作なら、チェックさえきちんとすればあまり問題ないように思われます。これが発展していけば、確かにライターの仕事はAIにとって代わられそうですね。
しかし、ChatGPT本人に聞くと「ChatGPTが苦手なことは、文脈を理解することや、感情や意図を正確に理解することです。ChatGPTは、単語の意味や文法的な構造を学習することができますが、人間のように情報を総合的に理解することはまだできません。」とのこと。
例えばインタビューでは、相手との会話の中で感じた、相手が大事に思っていることや伝えたいと思っていることをいかに言葉として発してもらうか(基本的に相手が話したことしか書けないので)という部分と、それを文章でいかにスムーズに読み手の心に着地させるかという部分が重要ではあるので、まだしばらくはAIにはできない作業でしょう。
とはいえ、この分野の技術は急速に発展することと思います。MicrosoftもOffice製品にAI機能を統合した新製品を発表しましたし(AIがワード文書からパワポ資料をつくってくれたり、エクセルのデータを分析したりしてくれるようですよ)、これからはむしろ、そういった技術を活用することで、良いものをいかに安価でつくれるかといった「編集力」が重要になってくるのではないかと思います。その意味では、当社のような会社にとっては、ピンチというよりチャンスなのかもしれません。
それはさておき、ChatGPTの目下の課題は、平気で嘘をつくこと。
例えば先日、試しに「『春はあけぼの』で始まる本を知っていますか?」とChatGPTに聞いてみました。するとその回答は「『春はあけぼの』で始まる本といえば、夏目漱石の小説『こころ』です。この小説は、主人公の男が自己を探求する過程を描いたもので、日本の近代小説の傑作として知られています。」というもの。
いやいや、『こころ』の冒頭はそんなではなかったはず。
もっとも、AI本人は自分が学習した膨大なデータの中で文章をつくっているだけで、嘘をついているつもりはないのでしょうけどね。
先日も、いい文章をつくるには、まず情報の出どころ(ソース)が大事、と書きましたが、現状のAIはそこが致命的。まだ「ちょっと便利なワープロ」ぐらいに考えておくのがよさそうです。(ワープロって、今の若い人たちにはわからないらしいですね……。)
ライティングのご用命があれば、もうしばらくはChatGPTではなく、「ちゃちゃっとGAS(ジーエーサービス)」に依頼していただくほうがいいかもしれませんね。