病院広報誌のつくり方

医療従事者 

ど~も! 関西オフィス 企画編集兼ライターのF本です。

かれこれ15年、病院の広報の仕事に携わっています。

最初の仕事は、職員のほか、学生の保護者などに医科大学や附属病院のことをお知らせする学内広報誌でした。素材は支給されるものが多かったのですが、コンペ時の提案として、インナーコミュニケーションの活性化のために、医師や看護師さんなどへのインタビューを一号につき3人分掲載することを盛り込んで、採用されました。

実際に制作が始まってからは、医科大学や大学病院のことを知る良い機会だと考え、ライターさんにお願いすることはせず、私自身がICレコーダーと一眼レフカメラを持って医師や看護師さんの働く現場へ取材に出かけました。いろいろなお話を聞き、大変良い勉強をさせていただきました。

病院広報誌のつくり方
インタビューは取材相手へのリスペクトが大切!

その後、仕事の幅が広がり、病院を訪れる方や地域の医療機関に配布する病気・診療ガイド、来院者向けの広報誌、看護師募集WEBサイト+パンフレットなど、さまざまな媒体を制作してきました。現在継続して制作している患者さん向けの広報誌も、すでに8年目になっています。

手術中の撮影や、夜9時からのカンファレンスの様子を取材するなど、貴重な経験もたくさんさせていただきましたね。

 

そんな中で実感したこと。

医師や看護師をはじめ、臨床検査技師、理学療法士や作業療法士、薬剤師、医療ソーシャルワーカーなど、さまざまな職種の方、数百人にお話を伺ってきたのですが、なんというか、医療従事者にはカッコいい人が多い!

企業の社内報などでもいろいろな方にお話を伺いますが、大学病院で医療に携わる方は、使命感にあふれる方が多いからなのか、大変な現場で日々働いておられるからなのか、芯が強く、想いを持った人が多い気がします。

私は常々、良いインタビュー記事を書くには取材相手をリスペクトすることが大事だと思っているのですが、医療従事者相手の取材は、病気についての記事の聞き取りであっても、自然にリスペクトしてしまいます。そうすると、良い記事を書こうというモチベーションも高まります。
また、広報誌全体の企画を立てる編集の立場でも、そういう「“人”の魅力もまた病院の価値の一つ」だという認識で広報誌をつくろうとするので、みせ方の幅が広がる気がします。

 

広報誌制作にかける予算が少ないから自前でつくる…という病院は多いと思いますが、おそらく病院内部の方だけの寄稿でつくる広報誌では、こういったリスペクトの部分が少なく、患者さんなどに病院の魅力が伝わるものにはなりにくいのではないかと思います。

かといって、我々のような外部の人間だけが一所懸命に頭で考えても、病院の中のことがわからず、企画は立てにくいもの。フットワークの軽い広報担当者様と、外からの視点を持った我々のようなディレクターが、きちんと情報共有して連携できることが病院広報誌制作の成功のカギなのかもしれませんね。

 

コロナ禍で、医療従事者の方々のご苦労はいかばかりかと、本当に頭が下がる思いです。一日も早く、医療に携わる方々が安心して仕事ができる環境が戻ってくるよう祈っています。